個人事業主の皆様へ
会計ソフトを使った確定申告の手順を分かりやすく解説
確定申告って、そもそも何?
確定申告は、1年間の収入と経費を計算し、税金を確定させる手続きです。個人事業主の方は、毎年必ず行う必要がある手続きの一つです。
確定申告が必要な場合
下記に当てはまる場合は、確定申告が必要になります。
- 事業所得がある場合:
- 商品を販売したり、サービスを提供したりして収入を得ている場合。
- 不動産所得がある場合:
- 不動産を貸して収入を得ている場合。
- 雑所得がある場合:
- 副業などで一定以上の収入がある場合。
会計ソフトを使った確定申告の手順
会計ソフトは、個人事業主の確定申告を大幅に効率化してくれる便利なツールです。ここでは、会計ソフトを使った場合の確定申告の手順を、より具体的にご説明します。
1. 会計ソフトの選択と導入:
- ▦ 無料版と有料版:
- 無料版は機能が限られている場合があるため、本格的に利用したい場合は有料版を検討しましょう。
- ▦ 機能比較:
- 必要な機能(自動仕訳、銀行連携、決算書作成など)が備わっているか確認しましょう。
- ▦ 操作性:
- ご自身で操作できるか、サポート体制が充実しているかなども重要なポイントです。
2. 初期設定:
- ▦ 事業情報:
- 事業の種類、開始年月日、事業内容などを登録します。
- ▦ 口座情報:
- 銀行口座やクレジットカードの情報を入力します。
- ▦ 取引先情報:
- 取引先の会社名、住所、取引内容などを登録します。
3. 毎月の記帳:
銀行口座やクレジットカードの取引明細を会計ソフトに取り込む方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
- ▦ 自動取り込み:
- ⬘ 会計ソフトと銀行口座やクレジットカードを連携させることで、取引明細が自動で会計ソフトに取り込まれます。
- ⬘ 手入力の手間が省け、入力ミスも防ぐことができます。
- ▦ 手動入力::
- ⬘ 通帳や明細書を見ながら、取引内容を一つずつ会計ソフトに入力します。
- ⬘ 自動取り込みに対応していない口座や、一部の取引については手動入力が必要になる場合があります。
具体例:
- ▦ 銀行口座に売上金が入金された場合:
- ⧈ 自動取り込み:会計ソフトが自動的に「売上」として仕分けます。
- ⧈ 手動入力:「売上」という勘定科目を選択し、金額や取引相手などを手動で入力します。
- ▦ 材料費をクレジットカードで支払った場合:
- ⧈ 自動取り込み:会計ソフトが自動的に「材料費」として仕分けます。
- ⧈ 手動入力:「材料費」という勘定科目を選択し、金額や支払先などを手動で入力します。
3.2 仕分け
仕分けとは、取引の内容に応じて、収入と経費をそれぞれの勘定科目に振り分ける作業です。
- 収入:
- 売上など、事業によって得られたお金。
- 経費:
- 材料費、家賃、水道光熱費など、事業を行うために使ったお金。
会計ソフトの仕分け機能:
- テンプレート:
- よく使う仕分けパターンを登録しておけば、ワンクリックで仕分けができます。
- AIによる仕分け提案:
- AIが取引の内容を分析し、最適な勘定科目を提案してくれます。
仕分けの具体例:
- 材料費の仕分け: 材料費勘定
- 家賃の仕分け: 家賃勘定
- 広告費の仕分け: 広告宣伝費勘定
3. 証憑の保存
スキャンして会計ソフトに紐付け:
- 領収書をスキャンし、会計ソフトにアップロードします。
- 取引データと領収書が紐付けられるため、後から確認が容易になります。
クラウド上に保存:
- クラウド型の会計ソフトでは、領収書をクラウド上に保存できます。
- どこからでもアクセスでき、データのバックアップも安心です。
証憑の保存の重要性:
- 税務調査の際に、必要に応じて証憑を提出する必要があります。
- 経費の計上漏れを防ぐことができます。
税務署に提出する証憑の具体例
税務署に提出する証憑は、あなたの事業内容や経費の種類によって異なりますが、一般的に以下のものが挙げられます。
1. 収入に関する書類
- 売掛金明細書: 商品やサービスの売掛金を管理する明細書。
- 受領書: 現金や商品で支払いを受け取った際に発行する書類。
- 銀行口座の入出金明細: 収入に関する取引を記録した明細。
- クレジットカード売上票: クレジットカードで売上があった場合の明細。
2. 経費に関する書類
- 領収書: 商品やサービスの購入、経費の支払いを証明する書類。
- 請求書: 商品やサービスの代金を請求する際に発行する書類。
- 納品書: 商品やサービスが納品されたことを証明する書類。
- 交通費精算書: 交通費の支出を証明する書類。
- 通信費明細: 電話代、インターネット料金などの明細。
- 家賃領収書: 事務所や店舗の家賃を支払ったことを証明する書類。
- 減価償却資産の購入証明書: パソコン、自動車などの固定資産の購入を証明する書類。
まとめ
会計ソフトを使った毎月の記帳は、以下の3つのステップで行います。
- 取引入力:
- 銀行口座やクレジットカードの取引明細を会計ソフトに取り込む。
- 仕分け:
- 収入と経費をそれぞれの勘定科目に振り分ける。
- 証憑の保存:
- 領収書などの証憑を会計ソフトに紐付けたり、クラウド上に保存する。
これらの作業を正確に行うことで、正確な確定申告に繋がります。
会計ソフトの機能を最大限に活用し、効率的な記帳を行いましょう。